落合社長 中国旅行スポット


       
映画ラストエンペラーで皇帝溥儀が、紫禁城を囲むこの城壁の中を遊び廻るシーンを思い浮かべました.!・・・

中国で出会った二つの笑顔

 中国の方々とお付き合いを通して、私は笑顔の少ない人達だと感じていました。行政関係者やガイドさん、店員さんなどの笑顔もどこか、心の底からのものではなく、奥に何かあるのではないかと考えさせられてしまいます。
しかし、今度の旅で、これまでの私の思いを打ち消すような、二つのすてきな笑顔に出会いました。

 一つは、瀋陽から大連に向う列車の中で出会った女性の笑顔です。
 その女性の隣の座席が空いていたので、座らせてもらっても良いかと尋ねたところ、流暢な日本語で快い返事が返ってきました。言葉が通じる安心感からか、取りとめもない会話におつき合い頂き、別れ際に、「ありがとう」と挨拶した時、日本人の小クループのガイドをしていると言う彼女の、まだ、あどけなさの残る、それでいて、しっかりと前を見つめた顔に浮かんだ、誠実そうで温かみのある笑顔にふれ、心の中まで暖かくなるようでした。

 そして、もう一つは、金州特別区を表敬訪問するにあたり、時間調整で立ち寄った市民市場で出会った女性の笑顔です。
 松の実を買い、ビニール袋に入れてもらって歩いていたのですが、その袋が破れてしまって、せっかくの松の実が床に散乱してしまいました。その珍事に慌てるやら、恥ずかしいやらで動転していると、近くにいた女性がすかさず、ビニール袋を持ってきて拾い集めてくれました。その姿が、私に松の実を売ってくれた店の女性にも見えたのか、その人も駆け寄ってきて、二人で拾ってくれたのです。
 新しい袋に入れてもらった松の実を受け取り、気はずかしい思いで「ありがとう」とつぶやくとその気持ちが通じたのか、二人ともすてきな笑顔で、私を見送ってくれました。

 旅先の何気ない出会いの中で、私の出会った二つの笑顔が、旅から戻った今でも、私の心をとらえて離しません。

                  平成12年11月13日   落 合  外 吉